近年の競馬では着差が縮まったことから馬券の買い方といった資金管理は日に日に重要度を増してきている。データが不足になりやすい競馬において重要なのは立ち回り方と言えるだろう。
たとえば、どれも差がない混戦レースだった場合、それを見越した上で波乱を期待した馬券を構築するというのは戦術的である。どれだけ資金を入れるかは、自分自身が失っても良い額を基準に最初に考えるべきことだ。
2つの馬券戦略を同時進行させる
基本的な馬券戦略として2つの柱を軸にした馬券構築をオススメしている。それは、【本命投資】と【バリュー投資】になるが、より重要なのは後者だ。
本命投資は安定して勝ちたいという欲求が強い人に向けた提案となっている。そう限定するのは、最終的に勝てるようになり資金が形成されるにつれ誰もが的中率を落して大きな利益を望むようになるからだ。
本命投資は十分な資金がない、または失っていい資産形成のために必要とするケースがほとんど。そこを満たすようになり、また十分な経験を積んだ結果、価値あるリスクを負うことでしか至高の利益は得られないという結論に至るのだろう。
本命投資の基本スタイル
きちんと分けて管理する最大のメリットは思考を整理し切り替えるという点にある。それぞれ利益形成のための視点が違うため、それを混在させてしまうと自分自身で何をしているかが曖昧になり効率を落してしまう。
本命投資では何より的中率の基準が高くなるため、競争率の激しい低オッズ帯を立ち回ることになる。このオッズ帯での購入基準は『何回やっても同じレース結果になる』レースを見つけること。
本命投資でのリスクヘッジであり、この精度が高ければ大失敗することはまずない。本命投資で成功するために最終オッズをもとに馬券購入するようにしたい。
最大限までリスクヘッジしたいのならレース発走直前に買うのがベストなのは言うまでもない。たまに起こる放馬で馬券を台無しにされないためにも。
事前購入では大丈夫だったのに直前にオッズが下がって失敗することが本命投資では起こりうる。一度の負けが足を引っ張るだけに馬券購入は慎重を期する必要がある。
本命投資でもバリュー感覚を生かせるが占める割合はほんのちょっとだけだ。あまり妙味に重点を置く必要はない。それよりも重視すべき買い目があるかに焦点を当てた方が成功に近づけるだろう。
本命投資が対象とする『何回やっても同じレース結果になる』ようなレースは割合としてレアだ。確率的に堅いレースが多いことと混同しなように気をつけたい。
赤ちゃんにも説明できるようなレースを見つけるために、時には何週でも見送る根気が必要になるだろう。安定した利益をあげたいのなら【急がば回れ】が鉄則になる。
バリュー投資の基本スタイル
バリューとは日本語にすれば『妙味』と言えるだろう。能力に対してオッズが甘い馬を買っていく、つまり長い目で見て期待値を生かす戦略となる。
これはWIN5にも生かすことができるため期待できる高い配当をもたらすこともあり魅力的な一方で、短期間では損失が先行することもあり感情の面で運用の難易度は高いかもしれない。
十分なデータ量と質があるとは限らないため分析には十分な時間をかける必要がある。そのため個々のスキルに依存しやすいのがデメリットと言えるだろう。
そういった点を解消するために当方では人工知能を使ったクラスリビルドのデータを用意している。エージェントの競走馬診断と併用することで一般的な手法よりも成功確率を高めやすい。
コストの面から見てもデータ分析は専門家に任せるべきである。個人では期待値を高める手法には限界があるからだ。それでも誰でもできる手法があるので参考にして欲しい。
それは能力を発揮するクセを知っている馬を追いかけるというシンプルなもの。たとえば、馬群では能力を発揮できない実力馬が外枠に入った時にオッズが下がっていれば、それはバリューのある馬券になる。
そういった馬を探すのも一苦労だと思うが、競馬で勝つ人はそういった手間を惜しまない。こういった点もクラスリビルドを活用できるので時間短縮やコスト削減に役立つだろう。
誰もが数字に焦点を当てがちだが、行動の期待値が高ければ相対的に優位な結果が得られるのは言うまでもない。
勝つ人は準備力で差をつける
競馬で勝つ人には必ずと言っていいほど運用プランがある。それがないと期待値を生かせず苦労することになるのが身に染みているからだ。変化する競馬に対応する、言うは簡単だが実際に一人でやるのは骨の折れる作業を強いられる。
心身ともにタフなハードワークと知りつつ競馬を止めない理由。それは、馬券を当てることだけでなく人生を変えるような高配当に目を向けているからだ。競馬は波乱がよく起こる仕組みがあり高配当も夢ではない。
それに加え自分の努力で可能性を1%でも引き上げられる点に魅力を感じている。やってみたら0%ということもありうるが、もしかしたら予想よりはるかに上回るかもしれない。やってみなければ分からないことだ。
あせらなくても短期で的中を追ってしまうバイアスから逃れられる人は少ない。短期では理にかなっているように見えても、実は控除率を上回れない買い方なので長期的にはマイナスという誰しもがやってしまうミスだが意識できないから直ることもない。
だからこそ腰をすえて取り組むことが良策と確信している。勝てる人は少数派なのだから逆張りをすればいいだけだ。もちろん馬券ではなく行動の逆張りでなければならない。
おもちゃコーナーでダダをこねて騒ぐ子供のように、なにも考えていない人ほど過剰なほど的中や安定を欲しがるもの。その安定とは右肩上がりの成長の中だけで存在するオアシスであり、それはリスクを取って成長しなければついてこない。
かつて日本で輝きを放っていた大企業が没落するニュースは珍しくない。安定は欲しいがリスクは取り
実は圧倒的に勝てる人ほど自分を積極的に変えていく。偉大な実績を残したゴルフのタイガーウッズやテニスのノバク・ジョコビッチがそうだ。
さらに成長して最高のものを手にするという意識のもと絶頂期にリスクを取り自分を変えている。1~数年のスランプになるのを覚悟して。選手生命という長期視点から見れば決断は早い方がいいが、普通ならスランプになろうなんて考えもしないだろう。
こういった例から分かるのは心地よいコンフォート・ゾーンから抜けることで成長するということ。これは単なるイメージではなく研究結果により裏付けられている。
研究者によると、恐れることが多いほど、コンフォートゾーンが小さくなり、コンフォートゾーンから外にでることがより困難になっていくという。
しかし、一旦コンフォートゾーンの外に出てしまえばラーニング(勉強)ゾーンに入り自己成長が促される。この時に気を付けたいのが大きくでないということ。
グッドリスクは少しだけ不快になるような所にある。それを積み重ねていくことで勝つためのサイクルが見えてくるようになるはずだ。
ずっとコンフォート・ゾーンにいる人ほど不満が多い。あれはダメだ、これはダメだと注文をつける。それは自分が変わるより周りが変わってくれるのを期待しているからだろう。
それを待ち続けて大きな成果を得られるかどうかは分からない。一度しかない人生を賭けて確かめる究極のギャンブルだけは避けたいものだ。