予想力があるかどうかの前に、ほとんどの人は利益的な行動が取れないので競馬で勝つことはない。
本人は利益的だと思い込んでいても実態はそうなってはおらずマイナスを生み続ける行動を取ってしまう人のは間が持つ特性が邪魔しているせいだ。
その原因は「損失回避バイアス」にある。人は同じ額なら利益よりも損失に注目してしまうことが分かっている。
これは日本人に限らず損したくないゆえにとった行動が損失をさらに拡大させてしまうロジックとして働きやすい。
たとえば、結果的には消費税よりも安いはずのNHKの受信料を払いたくないという人は100万人以上いることが明らかになっている。
それは、消費税が8という数字イメージと加算される税なのに対し、NHKは分かりやすい4ケタの額で引かれる(損失する)ので受信料の方に目が行きやすくなるというわけだ。
どう考えたってNHKの受信料拒否よりも消費税撤廃の支持に回るほうが実入りは良くなるのにそうはならない。
NHKの受信料を拒否するという、まず実現しない損しかしないものを支持してしまう合理性のなさは少し考えれば分かるだろう。
すでに法律で支払いが決められていて長い実績があり「支払わない」という可能性はありえない。公共放送をお題目にあげているのでスクランブル化も絶対無理である。
逆に給料から天引きなど徴収が強化される方向に動く可能性の方が高いだろう。事前に企業がまとめて支払うようになったら唯一の武器だった「支払拒否」も失うことになる。
ここなで無理づくしで不利な状況なのに、その実現を願って行動している人たちがいることからも、いかに人間の行動が合理的でないかが分かるだろう。
日本は世界で類を見ないほど情緒文化が発達した国なので自分の気持ちを優先したい人であふれている。実際に損してでも気分が悪い状態でいることを好まない。
そういう状況では論理をもって対処しようとする人にチャンスがでてくるのは言うまでもないだろう。まずは己が障害となっていないか疑う必要がある。